KINTORE(共同リポジトリ)

近畿病院図書室協議会共同リポジトリ(KINTORE)事業

実務者ページ

病図協リポジトリ 実務マニュアル

近畿病院図書室協議会共同リポジトリは「近畿病院図書室協議会共同リポジトリ運用指針」に基づいて運用する。この実務マニュアルでは近畿病院図書室協議会共同リポジトリへの掲載手順と登録後に必要な作業を記す。

【用語の確認】
  • リポジトリの略名称:病図協リポジトリ
  • 病図協リポジトリの愛称:KINTORE
  • リポジトリ収載範囲内の資料:成果
  • リポジトリの管理者:管理者
  • 加盟機関の図書館担当者:担当者(投稿者)
  • 成果の執筆者:著者
  • 著作権を持つ人:著作権者
  • 許可を得ること:許諾
  • KINTORE内の各会員機関のページ:コミュニティ
  • 各機関のコミュニティに成果を載せること:投稿
  • 機関コミュニティ内に作成する成果の投稿場所:コレクション
  • コレクションをまとめるフォルダ:サブ・コミュニティ
  • 著者名などの書誌情報:メタデータ
  • メタデータを検索DBに載せる操作:ハーベスト
  • 機関コミュニティ内の表示順を制御する機能:制御文字
  • ○○病院学術雑誌などを目次っぽく表示する機能:紀要専用表示機能
  • 特定の個人の論文リストを作る機能:著者名表示機能
Ⅰ.KINTOREへの参加方法

運用指針をよく読み、参加申請書に必要事項を記入してリポジトリ部へ提出する。

Ⅱ.初期設定

1.参加申請書提出後、KINTOREにアクセスしユーザ登録を行う
2.近図雲上のKINTORE参加機関専用コミュニティ「クールダウン」に参加する
3.コミュニティ作成をリポジトリ部へ依頼する
 件名「コミュニティ作成依頼」、本文中に「利用者情報で登録した姓名と所属氏名」を記載し、リポジトリ部へメールを送信し、返信メール到着後次の作業を行う。
4.KINTOREにログインし機関コミュニティの設定を行う
 初期設定
 機関コミュニティ内のレイアウトを考える   
 成果の投稿先を作る

Ⅲ.KINTORE掲載手順

運用指針に従って成果をKINTOREへ掲載する手順や作業を記す。
収載できる成果の種類は運用指針に記載。

 

1.成果物の著作権者がはっきりしているか?

<著作権について>

成果を作成・発表する著作者には著作者人格権*1と利益保護の著作権(財産権)*2があります。このうち著作者人格権は譲渡できない一身専属の権利ですが、著作権(財産権)は一部、または全てを譲渡できるため、著作者ではなく出版社や学会が保有している場合もあります。リポジトリで公開するためには成果の著作権(財産権)のうち、複製権と公衆送信権の許諾が必要です。

*1 著作者人格権 条文 著作権法第18条~第20条
   種類:公表権、氏名表示権、同一性保持権
*2 著作権(財産権)条文 著作権法第21条~第28条
   種類:複製権、上演権・演奏権、上映権、公衆送信権・伝達権、口述権、展示権、頒布権、譲渡権、貸与権、
       翻訳権・翻案権、二次的著作物の利用権

成果物の著作権者を確認する。
著者は著者欄から、発行元は投稿規程や奥付を見て確認する。

2.リポジトリに載せる許諾を得ているか?

著作権者から「複製権」「公衆送信権」の許諾を得る。

1)著者に文書で許諾を得る方法

各施設の責任において許諾を取り、文書を保管する。
特に共著者の許諾も忘れずに取ること。
著者に許諾を取る文書例

 

2)出版社などの発行元から文書で許諾を得る方法

発行元が自施設(1)かそれ以外の学会誌や商業誌など(2)により方法が異なる。

▶ (1)自施設で発行している、紀要・〇〇病院学術雑誌などの場合

著作権のうち複製権と公衆送信権が自施設にあると明記していない場合は、執筆者(共同執筆者含む)に許諾を得る。あるいは投稿規程に著作権条項を追加し、その規程で作成した発行物から掲載する方法もある。

<著作権条項追加例文>
著作者はその投稿論文について、著作権上の複製権・公衆送信権を〔○○編集者・○○編集委員・○○病院など発行元〕に許諾する。

▶ (2)自施設以外で発行されている、学会誌や商業誌など(以後、発行元)の場合

著作権ポリシー①を確認し、指示に従って文書②で許諾を得ること。

①各誌の投稿規程などで著作権ポリシーを確認する

投稿規程は雑誌の最新号掲載分を用いること。
投稿規程の中ではCopyrightが掲載されている箇所、ウェブサイト上では著者向けのページに載っていることが多い。
著作権は最新情報を第一典拠とすること。

著作権ポリシーを調べるデータベースが和文・欧文で2種類作成されているが、情報が古い場合もあるため、参考にするのはよいが、第一典拠として用いることは勧めない。

【著作権ポリシーデータベース使用方法】

著作権ポリシーデータベースは①SHERPA/RoMEO(欧文)、②SCPJ(和文)がある。

i ) SHERPA/RoMEO(シェルパロメオ) http://www.sherpa.ac.uk/romeo/

欧文雑誌(学会誌・商業誌)の著作権ポリシーが掲載されている。

RoMEO Colour Archiving policy
Green Can archive pre-print and post-print or publisher's version/PDF
Blue Can archive post-print (ie final draft post-refereeing) or publisher's version/PDF
Yellow Can archive pre-print (ie pre-refereeing)
White Archiving not formally supported
  • pre-print:査読前
  • pre-refereeing:査読されていない原稿
  • post-print:査読後
  • final draft post-refereeing:査読後の著者最終原稿
  • publisher's version:出版社により編集され、雑誌に掲載されたバージョン(版)

*確認時にはRoMEO Colourだけで判断せず、各誌の詳細情報を確認する。

例)Surgery Research and PracticeとSurgery Today、詳細情報を確認すると(両誌、RoMEO Colour はGreen)
Surgery Research and Practiceは査読前、査読後、雑誌に掲載されたバージョンが許諾されている。
Surgery Todayは査読前、査読後の許諾があるが、査読後について、リポジトリ公開は出版12か月後の条件がある。

ii ) SCPJ(エスシーピージェイ) https://jpcoar.repo.nii.ac.jp/records/216

国内雑誌(学会誌、商業誌、国内発行英文誌)の著作権ポリシーが掲載されている。

Colour 学協会著作権ポリシー一覧
Green 査読前・査読後のどちらでもよい
Blue 査読後の論文のみ認める
Yellow 査読前の論文のみ認める
White リポジトリへの保存を認めていない
Grey 検討中・非公開・無回答・その他

*確認時にはColourだけで判断せず、各誌の詳細情報でも確認する。

例)日本小児外科学会雑誌と日本小児腎臓病学会雑誌の詳細情報を確認(両誌、ColourはBlue)
日本小児外科学会雑誌は査読後論文のみ許諾。日本小児腎臓病学会雑誌は査読後と出版社版を許諾しているが、出版社版は出版6か月後に利用できる。

②先方の指示に従って文書で許諾を得る。

発行元で申請書式が用意されていない場合は【病図協例】を参考にする。

学会・出版社への確認文書例 (参考例)
○○出版・学会
△△△ 編集担当者様

いつもお世話になります。××病院図書室(リポジトリ)担当者の▽▽と申します。
さて、当院では近畿病院図書室協議会共同リポジトリ(https://xxxx.xxx.jp)に参加 し、病院職員の論文等の成果をリポジトリに登録・公開する活動を行っています。
この度、当病院職員(○○△△)による貴誌への投稿(掲載)論文を近畿病院図書室協議会共同リポジトリに登録し公開したいと考えています。つきましては「電子化しインターネットで公開する」許可をいただきたく下記のとおりお伺いいたします。下記しました以外にも御社(貴学会)にて必要な手続きがございましたらご教示ください。
また、今回依頼した論文とともに、今後、貴学会(出版社)出版物への当院職員による投稿(掲載)論文のリポジトリ掲載許諾につきましても合わせてご回答いただけましたら大変助かります。
お忙しいところお手数をおかけして申し訳ありませんが、どうぞよろしくお願いいたします。

リポジトリ公開依頼論文
タイトル
著者
雑誌名
巻号・頁・年
リポジトリ公開依頼論文についてリポジトリ登録・公開  可 □  ・  不可 □
  *リポジトリ登録・公開について条件がありましたらご記載ください。
今後、当院職員による貴学会・出版社での投稿(掲載)論文のリポジトリ登録・公開許諾について
 リポジトリ登録・公開  可 □ ・  不可 □
  *リポジトリ登録・公開について条件がありましたらご記載ください。

以上


3.電子化できているかどうか

400dpi程度でスキャンし論文を画像データ化した後、OCRソフトを使ってテキスト付PDFファイルに変換する作業。
※紀要などは発行時にテキストデータ付ファイルも納品されるよう契約を結ぶとよい。
電子化マニュアルを参考に、作業を行う。

4.KINTOREに投稿する

1)投稿する
 毎週日曜日にハーべスティングされる
2)修正する
3)削除する ※削除は必ずリポジトリ部に依頼すること

Ⅳ.利用統計の入手

月初に投稿者(図書館担当者)あてにEメールで届く。

 

Q&A

Q1.KINTOREとはなんですか?

A1. KINTOREとは、会員機関の職員の成果物である論文などを収載し、インターネットを通じて世界へ発信する近畿病院図書室協議会のリポジトリシステムです。

Q2.なぜKINTOREというのですか?

A2. 近畿病院図書室協議会共同リポジトリ:Kinki Byoin Toshoshitsu kyogikai Kyodo Repositoryから名づけました。

Q3.参加にはどんな手続きや条件がありますか?

A3. 近畿病院図書室協議会に機関加盟しリポジトリへの参加申請を行ってください。会員活動を行っていただくことが条件です。

Q4.費用はどのくらいかかるのでしょうか?

A4. 病図協への入会金1万円と年会費3万円が必要で、リポジトリ参加に追加費用は必要ありません。データ化するためのスキャナやソフトウェアは各機関でご用意いただく必要があります。

Q5.図書館担当者はどんなことを行うのですか?

A5. 機関内のとりまとめや、著作権許諾処理、データ化、登録作業などがあります。

Q6.今後のスケジュールを教えてください

A6.2016年1月公開に向けて参加申込を受け付けています。

Q7.KINTOREについて詳しく知りたいです

A7. 事務局までお問い合わせください。

 

参考サイトへのリンクリスト